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乳酸菌は野菜の表面はもちろん。その辺りを漂っている空気中などにも大量に含まれています。乳酸菌は私達の身の回りには無尽蔵にありふれており、人類にとって有効で日常生活からは切り離すことのできない細菌です。人類の歴史を作ってきた貢献者といっても過言ではありません。
その意味で、野菜や魚などに少し塩をふりかけて放置しておくだけでも乳酸菌が付着してやがて繁殖することになります。このようにして私達は、ひとりでに乳酸菌を体内に取り込んでいることになります。イタリアのイワシの塩漬けであるアンチョビなどもその良い例で、塩漬けにしている間に乳酸醗酵して、旨み成分が増加するだけでなく、ビタミンCなども生成されてより健康に有効な成分が増すことになります。
他にも、塩豚や生ハムなども乳酸醗酵によって味が熟成されます。チーズなどはいうまでもありませんが、ステーキなども熟成させることで乳酸菌が繁殖しより深みのある味に仕上げてくれます。日本では奥能登地方にイワシやイかを大きな樽に漬け込んで作る漁醤のイシルがあります。このイシルも魚を乳酸醗酵させることで旨み成分を熟成させています。
また日本海側の多くの地域では、イワシや鯖などの糠漬けが保存食として漬け込まれます。これらの糠漬け(へしこ漬け)なども乳酸菌による醗酵で保存性が増し、栄養分だけでなく味まで熟成されることになります。
南紀地方や湖北地方で漬けられる慣れ寿司は、長い歴史が育んできた知恵と叡智の粋といえます。乳酸菌の恩恵をこれほど活用した文化は世界的に見ても珍しいでしょう。